今回のホタルACGエキスポはスケジュールがびっしり詰まっていましたが、「イベント個人参加」の機会を利用して、前々から準備していたこの『Fate/Grand Order』新宿オルタ(アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕)の装いを会場に連れ出しました。多くのプレイヤーが「新宿セイバー」や「新宿呆毛」と親しみを込めて呼ぶこのバージョンは、高潔なアーサー王の原版とは異なり、都会の夜行性スタイル、あるいは現代の街をさすらうアンニュイでありながら圧倒的な戦闘力を秘めたギャップ感が魅力です。
キャラクターの雰囲気を再現するため、全身ブラックのレザー戦闘服をベースに選びました。アウターの黒のレザーライダースジャケットは衣装全体の魂であり、インナーの鮮やかな赤の切り替えデザインがポイントで、前を開けたり肩に羽織ったりした際に、その赤が黒一色の重たさを一気に払拭してくれます。インナーには極細ストラップの黒キャミソールと黒のレザーショートパンツを合わせ、タイトなカットで動きやすさを確保しつつ、キャラクターのスマートさを際立たせました。全体の存在感を高めるため、ウエストにはハトメ穴の金属バックルが付いた太い白ベルトを締め、純黒の単調さを崩してウエストラインのプロポーションを強調しています。
シューズと小道具もこのコーディネートの重要な見どころです。黒の太ヒールニーハイレザーブーツを選び、脚長効果を狙うと同時に新宿の街並みにマッチするワイルドでスタイリッシュな雰囲気を演出しました。手に持った赤のリング模様が入った大剣は、表面にラッカー塗装を施しただけでなく、持った時の重量感をあえて増すことで、カメラマン(Cosplay photography)と合わせた肩掛けや抜刀のポーズで剣身の重厚な勢いを表現できるようにしました。持ち運ぶのは決して軽くありませんが、レンズの前でポーズをとる際にはその重さがリアルな反動となり、動きに更なる張力を与えてくれます。
メイクとヘアスタイルに関して、キャラクターの「異端」属性に寄せるため、少し乱れ感を持たせたプラチナブロンドのパッツン前髪ショートウィッグを特別にチョイスし、ストーリー中の自由奔放な姿を表現しました。さらに重要なのはアイメイクで、高彩度のゴールドイエローのカラコンを装着。イベント会場の環境光の下で、静かにカメラを見つめるだけでも、冷色調のスタイリングと暖色調の瞳の衝突によって、自信に満ちた威圧感のある眼差しを自然と伝えることができます。
今回の撮影場所はホタルACGエキスポの館内です。従来のスタジオセットではなく、会場自体の巨大なガラスカーテンウォール、グレーのコンクリート床、そして天井のドットライトをそのまま活用しました。ガラス越しに差し込む自然光が画面全体にクリアでクールなフィルターをかけ、現代風の衣装に完璧にマッチしています。撮影には広角ローアングルのアプローチを採用し、1枚目の振り返りカットではジャケットがなびく動感を表現、4枚目の広々としたホールで大剣を肩に担ぐカットでは、全身のシルエットとキャラクターのオーラを最大限に引き出しました。だだっ広い館内を歩く際、通行人がふと振り返る視線すらも、キャラクター自身が纏う「王」としての威圧感の現れのように感じられました。
衣装自体は動きを制限するものではありませんが、長時間の立ち移動は体力と耐熱性の勝負でもありました。また、手にした大剣は長さがあるため、混雑する会場内を行き交う際は周囲の来場者や展示物に当たらないよう細心の注意を払いました。途中小さな苦労もありましたが、仕上がった写真を見れば、事前にメイクの細部や小道具の質感にこだわった甲斐があったと実感しています。そしてコスプレ(cosplay)の最大の醍醐味は、自分の外見や雰囲気がキャラクターと密かに重なり合い、束の間であってもあのフィクションの都市伝説に没入できることにあります。この写真集を通じて、力強く凛とした新宿セイバーの魅力が伝われば幸いです。