ジャンヌ・オルタが持つ冷徹で狂気じみた威圧感を捉えるため、セットの構想からメイクの完成に至るまでかなりの時間をかけました。この衣装は想像以上にしっかりとした作りで、銀色の金属製スカートアーマーと幾重にも重なるコルセットは着用時の重量感が凄まじく、ハイヒールを履いて槍を構えた立ち姿を長時間キープするのはまさに体力勝負でした。脚の黒ストッキングも移動時に鎧の縁に引っかかりやすいため、撮影中は細心の注意を払いました。長く編み込んだ三つ編みと重いヘッドドレス、そして風をはらみやすい巨大な軍旗と長槍を自然に構えつつ殺気を放つため、重心と力の入れ方を絶え間なく調整しました。今回はスカル、鉄の鎖、消えた蝋燭、立ち込めるスモークを配置したダーク系のセットを特注で組み、紫のボディスーツと冷涼な金属鎧の世界観に見事に調和させました。カメラマンさんはライティングに強いこだわりを見せ、鮮烈なサイド逆光で甲冑のハイライトを浮き彫りにし、強烈な明暗のコントラストを描き出しました。暗がりの中で視線の向きを定めるため、眩しい光を浴びながら数秒間静止し続ける必要があり、首や腰に疲労がたまったものの、撮って出しに宿る孤独で決然とした空気感を見てすべての苦労が報われたと感じました。メイクも世を儚みつつ高潔さを漂わせる表情に合わせて仕上げ、赤いリップが寒色系の光と暗い背景の中で上質な存在感を放っています。小道具の動きに合わせて立ち位置やポーズの修正を幾度も重ね、環境光の不足による周辺減光をレタッチで調整するなど、忘れられない濃厚な体験となりました。この作品が本当に気に入っており、今後も重厚な造形と強い物語性を持つキャラクターに挑戦していきたいです。