今回、長沙ACCの会場で撮影したパタパタペーパーコスプレの「長夜の汽笛」衣装ですが、会場全体の環境光はやや寒色系でした。しかし中央ホールの一角に、床の照り返しが素晴らしく天井照明が密集した通路を見つけたため、カメラマンのWiFiさんと相談して、思い切って躍動感あふれる動きのあるイベント写真を撮ることに決めました。
この衣装で最も気を遣ったのは、ゆったりとした仕立てのブラウンのオーバーコートです。ハリのある硬めの生地に加え、縁取りのチェック柄や胸元の白いタッセルがあしらわれているため、実際に羽織るとかなりの重みがありました。さらに混雑したイベント会場内では擦れてシワになりやすく、肩の位置をこまめに整え直す必要がありました。インナーの青いチェックスカートと大きな白い開襟襟はスクールテイスト満点で、跳躍アクションに合わせるため、足元には厚底のブラウンのローファーを選び、白ストッキングをコーディネートしました。静止した立ち姿も試してみましたがどこか動きが足りず、「授業を抜け出して飛び出してきた」かのような軽快なライブ感を狙った方がずっとキャラクターらしいと感じました。
1枚目のスツールに腰掛けたポーズは、実はおやつをつまみながら一息ついている最中に撮られたものです。少し休憩するつもりが、レンズを向けられた瞬間の表情が素晴らしく、そのままシャッターが切られました。その後のカットはしっかりとポーズを作り込んだもので、特に片足立ちの2枚は、重心をしっかりとキープするために足首にかなりの負荷がかかり、コートの裾やスカートの広がり具合にも神経を配り続ける必要がありました。そして空中に跳び上がるジャンプのカットは、広々としたスペースを活かして10回以上も連続でジャンプを敢行。カメラマンさんのシャッタータイミングが抜群で、踏み切りの瞬間に自ら足の甲をピンと伸ばし、裾が自然にふわりと舞うよう計算することで、風を孕んだような軽やかな浮遊感を演出できました。
後から撮って出しの写真を確認したところ、背景に行き交う人影は多かったものの、ライティングの効果で周囲が綺麗に暗く落とされ、かえって凛とした引き締まったステージのような空気感が醸し出されていました。それが、パタパタペーパーが持つどこかミステリアスで機転の利く雰囲気に完璧に寄り添ってくれました。カラコンには青緑系のニュアンスカラーを選び、斜めから落ちる光を浴びて横顔でレンズを見つめると、瞳に宿る物語性がぐっと引き立ちます。ウィッグの毛先にはグラデーションを施し、頭上の大きな白いリボンやアンテナの装飾と相まって、全体の完成度にも大満足です。動きの大きいカットは一瞬のシャッタータイミングがすべてを左右しますが、息の合った連携により驚くほどスムーズに撮影が進み、仕上がりも大満足の出来栄えとなりました。楽しかった今回のイベント写真の思い出として、ここに大切に書き留めておきます。