今回の『アークナイツ』アーミヤの撮影において、真っ先に決定したのが白のドレスと黒馬という組み合わせでした。画面全体に漂うエピックな重厚感と冷ややかな魔法の空気感を再現するため、セットの設営から光と影のカラーグレーディングに至るまで細心の注意を払いました。
まずは衣装から触れると、ふんだんにあしらわれたレースやフリル、そして大きく広がる白のマントは、着用時にドレープの重なりを丁寧に整える必要がありました。視覚的にも、広範囲に広がる純白の世界観を引き締めるには深みのある黒の存在が不可欠であり、重厚な金属鎧をまとった黒馬はこれ以上ない最高のパートナーとなってくれました。馬との撮影は息を合わせる難易度が高く、この黒馬は大柄で気性も凛々しかったため、跨がった瞬間に体幹をしっかり安定させつつ、美しくなびくドレスの裾や長槍を構えるポーズをキープするにはかなりの筋力が求められました。
手にした武器はこの作品における中核的な光源となっています。先端から幽玄な青い光を放つ長槍は、レタッチ時に光の拡散と粒子が舞い散るエフェクトをあえて強調し、寒色系の魔法光が横顔の輪郭を美しく照らし出すように工夫しました。ウサ耳と黒い角のヘッドパーツが長い髪と逆光の中に浮かび上がり、SF的なスタイリッシュさと濃厚なファンタジー風の色彩が同居する絶妙なギャップを生み出しています。アーミヤの外見の柔らかさと内面の揺るぎない意志を際立たせるため、カメラの前では様々な視線の向きを試し、アオリ構図を用いることでキャラクターの圧倒的な気迫と存在感を最大限に引き出しました。
ロケーションには神殿を思わせる洋風建築を選び、白い円柱や垂れ下がるドレープカーテン、散りばめられた花々や燭台によって、現実を超越した純粋な空間を構築。ライティングにおいては、人物を照らすメインライトに加えて武器の蒼い魔法と呼応する寒色系の補助光を配置し、低彩度かつ高コントラストに仕上げたカラーグレーディングと相まって、透明感と強烈な視覚的インパクトが共存する画面を作り上げました。
佇まいの表現においては、大げさな表情は作らず、静かでありながら強い意志を宿した眼差しで所作をリードしました。馬を躍動させ長槍を掲げるダイナミックな瞬間から、そっと手を掲げる寄りのカットに至るまで、アーミヤの優しくも力強い本質をカメラの前で表現することに注力しました。この作品の魅力は全体のカラーコーディネートにあり、黒・白・青の王道の配色は常に洗練された美しさをもたらしてくれます。大型プロップや動物を迎えての撮影は準備が非常に大変ですが、仕上がった写真の陰影と世界観を目の当たりにした瞬間、すべての疲れが吹き飛びました。過酷でありながら心から満足のいく仕上がりとなり、ファンタジックな表現に挑んだ忘れられない創作体験となりました。