大雪のタイミングに合わせて、博麗神社でロケーション撮影を素早く行いました。現地到着から撤収まで全工程わずか40分。花柒先生の効率的なサポートと、Viltrox(ヴィルトロックス)の大口径レンズ2本の信頼できるパフォーマンスのおかげです。賽銭箱が設置されていない場所だったため観光客の邪魔も少なく、神社全体が雪の中で格別な静けさを漂わせていました。
今回の衣装は大きなリボンが特徴的な青と白の洋装を選びました。袖口や襟元にはレースとフリルがたっぷりあしらわれており、鮮やかな黄色の蝶ネクタイと金色の鈴の小道具も相まって、雪景色の中で全体の色調がとても際立ちます。頭の超大型リボンはバランスをとるのがなかなか難しく、風が吹くたびにヘアスタイルを固定しつつリボンの方向をコントロールする必要がありましたが、モデルとカメラマンの息はぴったりでした。
撮影では主に2本のレンズを使用しました。35mm F1.2 LABは環境を活かした広角引きショットを担当し、木製の階段に立ってリボンを振る全身カットは35mmで撮影。木柱や飛檐(ひえん)、雪をかぶった枝の奥行き感をすべてフレームに収めることができました。一方、135mm F1.8 LABは上半身カットや寄りの特写(クローズアップ)に使用し、圧縮効果によって背景の木造構造をより繊細に見せつつ、顔や鈴のディテールをシャープに描写してくれました。雪の日の光は柔らかく、F1.2とF1.8の大口径はシャッタースピードと背景のボケ味において非常に余裕があり、終始レフ板や照明の補光なしの自然光(拡散光)のみで素敵な神社撮影ができました。
撮影全体の中で最も面白かったのは、リボンとのインタラクションです。金色の鈴の柄には赤、黄、青、紫のカラフルなリボンが繋がっており、振りかざした時に純白の雪背景の中に描かれる色彩のアーチが、青と白のドレスと見事に調和します。リボンが舞う一瞬を捉えるため、シャッタースピードは1/500秒以上に設定し、同時にレンズに雪が付着して画質に影響が出ないよう注意を払いました。途中で動きが大きすぎて頭のリボンが落ちそうになり、みんなで大慌てで結び直したのも楽しいメイキング(オフショット)の思い出です。
冬の神社の木製階段や太い柱自体が素晴らしい前ボケ・前景となり、座りポーズ、横向き、立ち姿、小道具を振る動作など、段差的高低差を生かしてレイヤー感を作り出しました。一番下の木製階段に腰掛けたカットでは、白ソックスと黒シューズが見え、スカート裾のフリルと相まって足長効果が得られました。こうした短時間での冬のポートレート撮影体験は事前の準備が鍵となります。衣装小物をあらかじめ整理し、鈴の小道具のリボンをまっすぐに整えておかなければ、40分という時間はあっという間に過ぎてしまいます。
最終的な写真の仕上がりは期待以上にクリーンで、雪原が天然のソフトボックスの役割を果たし、ホワイトバランスを少し寒色寄りに調整するだけで冬ならではの清冽な空気感を表現できました。複雑な後処理(レタッチ)は行わず、ほぼ撮って出し(原版)のような質感を残しています。今回の雪景色コスプレはレンズの実戦テストでもありましたが、2本のLABシリーズは暗部でも雪のハイライト部でも満足のいく解像力を発揮してくれました。ちなみに、神社の木造アーチ構造や飛檐は天然の額縁(フレーミング)として最適でした。次回機会があれば、夕暮れ時の雪景色写真にも挑戦してみたいです。