D1の店番の日常は、棒立ちと通信途絶の連続でした。会場内の電波は完全に圏外でアンテナは0本。私もすっかり自由の女神像と化し、役に立たないスマホを掲げたまま呆然としていました。
ネットが繋がらずメッセージの確認もできないため、仕方なくCPG08の会場内を散策することに。場内は凄まじい人出で、人の波に押されるように進みながら、各ブースのグッズやポスターを見て回って時間を過ごしました。
今回は『羅小黒戦記』藍渓鎮の玄離のコスプレということで、衣装や小道具の準備に力を入れました。白いTシャツはシンプルですが、世界観に合わせるため赤い組紐をコーディネート。出発前に自分で首元に何周か巻きつけて垂らし、黒髪の無造作ヘアやピンクのエルフ耳パーツと合わせることで、鮮やかな色彩コントラストが会場内でも高い存在感を放ちました。紫のカラコンは半日ほど着用して目が乾きやすかったため、目薬を常備してケア。ウィッグは出かける前にヘアアイロンで丁寧にセットし、潰れて生気が失われないように整えました。
1枚目は人混みの隙間を縫って撮影した正面カットです。背景の左側に通行人が写り込んでいたためレタッチでぼかし処理を施し、多少のムラはあるものの全体的にすっきりとした画面に仕上げました。このスタイリングは自然な清冷感を醸し出し、静かに立っているだけでもフェイスラインが美しく引き立ちます。
午後に歩き疲れた後、段ボールが積まれたラックの傍らに腰掛けて休憩。誰のものかわからない黒のハーフリム眼鏡をふと掛けてみたところ、雰囲気が一変して一気にインテリ風のニュアンスが漂いました。これが2枚目の写真です。黒縁メガネと垂れ下がった前髪が相まって、どこかインテリヤクザのような色気と最高のギャップを生み出してくれました。
会場で電波が通じないのは不便でしたが、思いがけずスマホを手放すきっかけになりました。普段は画面ばかり眺めていますが、オフラインの現場で人々のざわめきやアナウンスに耳を傾け、行き交う多彩な同好の仲間たちを目にする没入感は、スマホ画面では決して味わえないものです。
店番の合間には、他のコスプレイヤー仲間とメイクやウィッグの素材感、細部のこだわりについて語り合いました。現地の通信環境は最悪で返信もできませんでしたが、仲間と直接顔を合わせて語り合う時間は何倍も楽しいものでした。気ままに歩き回るリラックス感に、圏外の焦燥感や眼鏡をかけたハプニングが重なり、今回のイベント写真は非常に生き生きとした鮮明な思い出として深く心に刻まれました。