この写真はイベントの日に、身内がスマホ写真でアクションショットとして撮ってくれたものです。ちょうど一陣の風が吹き抜けて、決まったポーズをとる間もなく、慌ててシャッターを切ってくれました。後からアルバムを見返したとき、このようなナチュラルな躍動感が本当に気に入りました。事前に作り込まれたスタジオ撮影に比べ、リアルな環境の中で捉えられた画面の方が、より生命力とストーリー性を感じさせてくれます。
今回出したのは『葬送のフリーレン』のフェルンで、スタイリング全体のメインカラーは紫・白・青です。ウィッグは鮮やかなパープルのストレートロングにぱっつん前髪を選び、風が吹いたときに髪の毛が後ろへなびいて、綺麗な流れを生み出してくれます。小道具に関してはあの象徴的な杖ですが、私のは少し自分で改造を加え、木目調のベースカラーに紫色のセパレートテープを巻き、シルバーの金属リングや接続部分の彫刻をあしらいました。そこから垂れ下がる紫のリボンも、風の中で画面に広がりを持たせる役割を果たし、構図全体が寂しくなるのを防いでいます。
衣装のコーディネートについては、イベントに参加した時の天気がまだ比較的寒かったことを考慮し、白のエコラビットファーのショートアウターを用意しました。袖口や襟元のファーが肉厚で、防寒性とキャラクターのスタイルを両立させています。首元のライトブルーの太編みマフラーは、スタイリング全体の鮮やかなアクセントになっており、顔の血色感も明るく引き立ててくれます。インナーにはディープブルーのトップスとディープブルーのロングスカートを合わせ、スカートの裾には2本の白ラインが入っています。シルバーのスクエアバックル付きの黒ベルトと黒のロングブーツをプラスすることで、全体のプロポーションがとても綺麗にカバーされました。この衣装は防寒性が高い反面、長時間着用して移動しているとどうしても少し蒸し暑くなってしまうため、このような自然の涼しい風に出会えたことは、レイヤー本人にとっても非常に心地よい瞬間でした。
撮影当日の天気は曇りで、光線が非常に柔らかく、強烈な明暗のコントラストがなかったため、肌や衣装の質感もとても繊細に写し出されました。スマホ写真によるアクションショットの強みは非常にフレキシブルな点です。友人はわざわざアングルを探す必要もなく、そのまましゃがんでローアングルから見上げるようにスナップしてくれたため、背景の混雑した人込みを綺麗に回避し、高層ビルや広大な空を美しい余白として取り入れることができました。この見上げるような視点を通し、衣装がもたらす落ち感と風による広がりが相まって、スマホの撮って出しであっても、非常に力強く表現されたイベント写真に仕上げることができました。
実際、イベント会場の人流は非常に多く、人混みの中でクリーンだったり空気感があったりする背景を見つけるのは容易ではありません。当時は会場の外の広場に立っていましたが、風が良いタイミングで吹いてくれ、周囲の通行人の大半は各自休憩したり遊んだりしていて、私たちのこのコーナーにはあまり注意を向けていなかったため、かえって自然に表現できる空間が生まれました。これもアクションショットならではのメリットで、あまりに無理に周囲の人を退けようとすると、人物が逆に硬くなってしまいがちです。このような偶然の出来事がもたらすビジュアル効果は、往々にして意図的なポージングよりも魅力的で、大きな動作を必要とせず、ただ杖を握って軽く首をかしげ、風に髪やスカートの裾をなびかせるだけで十分なのです。
画面内における小道具の配置についても、このような処理方法がとても気に入っています。多くの場合、イベント写真を撮る時は人物のアップにばかりフォーカスしてしまい、小道具や環境を無視してしまいがちです。この杖がちょうど画面を斜めに貫くことで、対角線上の構図を形成し、さらに紫色のシルクリボンが髪色と呼応することで、ビジュアルのバランスを保つつ、人物本来の表情や神髄を覆い隠すことがありません。レタッチでは基本的にはごく軽い色調補正とわずかなシャープ化だけを行い、写真本来のナチュラルな質感と、曇り空全体が持つ少しひんやりとした色調の空気感を残しました。
アニメイベントでコスプレを楽しむ際、多くの場合で追求したいのは、キャラクターの外見の再現だけでなく、自分がそのキャラクターにどれほど没入しているかという状態を映像を通して記録することでもあります。スタジオ撮影の非常に精巧なライティングによる質感を好む人も多いかもしれませんが、イベント会場に足を運ぶのが習慣になっている人間からすると、このような気ままで、生活感や現地の空気感をまとったイベント写真こそが、まさにその日のイベントに参加した時の心境を代表する本当の記念品になります。風が髪をかき揚げたり、スカートの裾が舞い上がったりする一瞬一瞬が、キャラクター自身と不思議な共鳴を生み出しているのです。衣装の細部へのこだわりであれ、ロケーションの活用であれ、今回は非常に素晴らしい実戦になったと感じています。