昨年撮影したこの花魁風の一連の写真を引っ張り出してきました。当時は撮影直作から構図も空気感もバッチリだと思っていたのですが、レタッチ(後期処理)がずっと理想の状態に届いていませんでした。ちょうどサブスクの期限が切れる前に、未編集データをもう一度ソフトに放り込んで調整し直したのですが、これで去年の自分に対して一つの区切りをつけられた気がします。
今回は主に肌の色調と光和影のグラデーションを最適化しました。もともとハイライト部分が少し白飛び気味だったのを、明度を下げることでよりソフトに仕上げ、ブルーの振袖にあしらわれた白い花柄とも綺麗に調和させることができました。首元の赤い組み紐や帯の織物のテクスチャも個別にシャープネス処理を施し、素材のディテールをより立体的に引き立てています。ウィッグはサラサラのストレートロングで、前髪をやや薄めにカットし、両サイドの絹花の髪飾りを合わせることで、スタイリング全体の綺麗なレイヤー感を表現しました。撮影の際はあえて純白の背景を選びました。こうすることで、衣装のディープブルーと鮮やかなレッドのコントラストがより強烈になり、余計な雑色に視線を邪魔されることがなくなります。手にした黒い长柄の小道具は、実は傘の骨組みを改造したものです。手元に携えることで、上半身のボリューム感とのバランスを保ちつつ、世界観を壊さない絶妙なアクセントになっています。
こうした伝統的な和風撮影にファンタジー要素をミックスしたスタイルは、レタッチにおける色彩のコントロールが非常に試されます。特に赤と青の彩度が一度バランスを崩すと、一気に野暮ったく見えてしまいがちです。今回の色調整では、あえて原画設定のトーンを参考にし、赤はピンク寄りではなく朱砂に近い色合いに、青は深みのある濃紺のベースをしっかりと残しました。たった1枚のピンショットではありますが、レタッチをやり直すたびに、当時は気づかなかった細かいディテールが見えてきます。例えば、肩まわりの和服の襟元のシワの入り方や、小道具を握る手元の指の力の入り具合などです。こうした細部に修正を加えることで、写真全体の完成度が一段と跳ね上がりました。とても心地よい復習になりましたし、次回の作品のライティングやレタッチに向けて新しいアイデアも湧いてきました。大満足の黒セイバーのコスプレです。