今回の霍青娥の撮影は、南にあるとても鬱蒼とした竹林で行いました。最初のロケ地選びでは、荘厳な古建築にするかどうか悩んでいましたが、カメラマンと相談した結果、静寂感に包まれ、少し野生的に生い茂るような竹林こそが、『東方Project』特有の冷たさとどこか人外めいた独特の雰囲気に一番マッチすると満場一致で決定しました。
今回の中国伝統風の装いを取り入れた衣装は、とても軽やかな薄緑と白の切り替えロングドレスです。上半身にはレースとフリルをふんだんにあしらい、襟元や袖口のシースルー素材が歩くたびに自然に揺れます。腰元の黒い花柄ベルトとピンクの小花は、広範囲の緑色の単調さを崩すために仕立屋さんに特注したものです。青いウィッグはキャラクターの非常に重要な特徴であり、頭頂部のリング状とお団子のヘアスタイルのセットにはかなりの工夫を凝らしました。髪型や衣装を綺麗な状態に保つため、竹林の中に3時間近く滞在しました。林の中は虫が多かったのですが、キャラクターの雰囲気を崩さないよう耐え抜きました。
カメラマンの@不列颠大魔女さんは、竹林の木漏れ日を捉えるのがとても上手でした。竹の幹が交差して斑点状の光の粒ができるため、竹林の光線は想像以上に複雑です。一枚目の半身ショットでは、レンズの前に横たわる竹をあえてフレームとして活用しました。自然光の中で顔や肩に光が当たる様子がとても素晴らしく、全体が非常に神秘的な雰囲気に仕上がりました。
二枚目の全身写真では、倒れた竹や雑草を前方に配してフレーム構造を作りました。この遠距離からのアングルと望遠レンズを組み合わせることで、手前の緑や枯れ枝を綺麗にボカし、光に照らされた人物へと視線を集中させることができました。足元でカサカサと音を立てる落ち葉や竹枝の感触に、その場にいると自然と動作がゆっくりになり、呼吸さえも静かになるようでした。
ロケ地の選択は、写真の出来映えを左右する決定的な要素です。初心者の方から外ロケのコツについてよく聞かれますが、私のアドバイスは「必ず光線が最も良い時間帯に撮影すること」です。今回のような竹林でのロケでは、午前10時頃に太陽が高くなり、光が竹林へ直射します。角度さえしっかり合わせれば、写真全体に神聖で仙気溢れる雰囲気を自然に纏わせることができます。こうした自然光と影の撮影のディテールは、事前にカメラマンとしっかり打ち合わせておく必要があり、レタッチで無理に加工するよりもずっと自然に仕上がります。
『東方Project』における霍青娥は、底知れぬ仙人の雰囲気を纏っているため、撮影時のポーズは硬すぎず、かといって活発すぎてもいけません。あごに軽く手をやるポーズや、竹の杖を手にして振り返る動作など、俗世を戯れつつも全てを達観しているような軽やかさを表現できるよう意識しました。仕上げの調色では、竹林の青緑色を活かし、肌色を少し明るく調整するにとどめ、まるで全身が竹林に溶け込んでいるかのように仕上げました。
コスプレ界隈は一見華やかに見えますが、実際のアウトドアロケでは様々なハプニングが起こります。今回の竹林でも時折観光客からの好奇の視線を感じましたが、自分自身がキャラクターとロケ空間に没頭していれば、全く気になりません。私にとって良いコスプレ体験とは、衣装や小道具の再現だけでなく、キャラクターの纏う空気感と撮影環境との化学反応だと思っています。今回の竹林での霍青娥撮影も、キャラクター理解を深める良い試みとなりました。画面から漂う仙気を感じ取っていただければ幸いです。