東京タワーの階段での煽り(ローアングル)撮影では、サイドからの1灯ライティングで撮ったカットが一番のお気に入りになりました。当時は辺りがとても暗く、持参した1灯の定常光だけを光源にしていたため、このような単灯撮影は周囲の抜け感や環境が大きく試されます。幸いにも階段の形状が両端が高く中央が低くなっていたため、光が白いシャツと青のジャンパースカートを綺麗に照らし出し、シャドウ部も潰れずに残せました。背景のオレンジイエローのタワーと強い視覚的コントラストを生み出しています。ポーズを取る際は、かかとをしっかりと階段につけ、つま先を少し下に押し込むようにすると脚のラインが引き立ち、光を浴びた白ストッキングの光沢感も綺麗に出ます。撮影中はタワーの先端を隠さないよう意識しながら、いくつものアングルを試しました。
この衣装は実は着こなしが難しく、特にリボンタイとロングソックスの組み合わせがポイントになります。赤・白・青のコントラストがとても鮮やかなので、ウィッグをしっかり整えておく必要がありました。ツインテールのカール感を出すためにヘアオイルでお手入れし、ボサつきを抑えることで夜景の中でも質感が出るようにしました。赤いリボンタイはしっかり結び、歩くときに揺れるニュアンスを出しています。階段のカットでは、片手にバッグを持ち、もう一方の手を自然にスカートの裾に添えました。カメラマンさん曰く、この少し警戒心のあるポーズがキャラクターの性格にとても合っているとのことでした。ウエストと脚のラインを綺麗に見せられるポーズですが、実は結構力が入っています。ソロ撮影だったため、ポーズをあれこれ試行錯誤しながら、最終的に一連の決まった動きに落とし込みました。
正直なところ、日本の街中でコスプレをするのは人見知り(社恐)な私にとってかなり緊張することでした。人が多いときは顔を上げられず、足元のタイルやスマホの画面を見つめて、ただの通りすがりを装っていました。地下鉄駅での撮影ではちょうど人の波と重なり、顔を横に向けて隠しつつ、ソックスやバッグのチャームでキャラクターらしさをアピールしました。その後カフェで休憩した際は、リラックスした雰囲気を撮りたくて、頬杖をついてぼんやりしていたのが当時のありのままの姿でした。公共の場での着替えは本当に大変で、トイレに駆け込んでこっそり着替えてから撮影スポットを探しました。最初から最後まで心臓がバクバクで、靴擦れもあって本当にドキドキの連続でした。
でもカメラマンさんがとても優しく、撮影中ずっと中国語で指示を出してくれたおかげで緊張が和らぎました。夜景撮影において1灯だけでここまで撮れれば十分満足です。例えばハイライトが白飛びせず、シャドウも黒つぶれせず、太ももの前面を主な受光面にすることで、背後の景色が自然とシルエットのようになります。履いていたエナメルシューズがライトの光を反射し、視覚的なアクセントにもなりました。その後の道路脇の手すりでのカットでは、脚を組むポーズで視線を集め、同じく単灯ライティングで立体感を演出しました。大口径レンズを使用したため背景のボケ味が美しく、被写体がしっかりと引き立っています。大掛かりな照明チームを用意しなくても、適切なアングルを見極め、明暗比を整えてシンプルな機材で表情を捉えれば十分素敵な作品になります。完璧とはいかないまでも、とても充実した経験となりました。