曇り空に小雨が混じる天気は、雨の日の屋外撮影にとってかなりの挑戦ですが、こうしたグレーがかった光線は、どこか冷たさとインダストリアルな雰囲気を帯びた画面を表現するのにうってつけです。今回のコスプレ撮影のロケーションには、都市的高所にあるプラットフォームを選びました。背後には巨大な白い観覧車のフレームが聳え、遠くにはダークトーンのビル群が望めます。どんよりとした天気と厚い雲により直射日光が遮られたことで、写真全体のトーンが低彩度の冷色系に統一され、身に纏ったダークブルーや黒白の制服、そして鮮やかな赤いリボンや武器と素晴らしいコントラストを生み出しました。
衣装は改良型のセーラー服にダボっとしたジャケットを合わせ、袖口や裾にはダメージ加工を施すことで、ストリート感と実戦的なラフさをプラスしました。胸元の赤いスカーフと頭の長い赤いリボンは視線を集めるポイントで、赤・黒・ゴールド基調の大剣と色彩の統一感が非常に心地よいです。足元は厚底の黒い制服シューズに黒のオーバーニーソックスを合わせ、全体的にすっきりと引き締めました。女子高生(jk)テイストを取り入れたデザインでありつつ、小道具に関しては、武器のサイズが大きく手にとるとズッシリと重いのですが、撮影効果のためにしっかり安定させる必要がありました。雨の日のコンクリート表面は滑りやすく、大剣を持ったまま台座の上に登ってバランスを保つのは一苦労で、撮影中は実に体力を消耗しました。カメラマンさんはアングルを捉えるのが非常に上手く、いくつかのカットで傾斜構図を採用し、観覧車の巨大な鉄骨に圧迫感とテンションを引き出し、まるでマンガのコマ割りのような視覚効果を生み出してくれました。
私自身が最も気に入っているのは、台座の上で正面を向いて真っ直ぐ立っているカットです。全身をフレームに収め、武器を脇に構え、脚のラインとオーバーニーソックスの包み込むような質感が絶妙で、同時にこの天気とロケーションの雰囲気に合わせるため、笑顔を作らずクールな目元を意識しました。また、バッグを手にした一枚は日常のお出かけ感に近く、任務から撤収した直後の束の間の静けさを思わせます。実のところ、雨の日の撮影で最も大変なのは機材とウィッグの保護です。風は強くなかったものの、小雨でウィッグが濡れて重くなり、こまめにセットし直すことができないため、レタッチで水滴を少し消すくらいしかできませんでした。しかし、こうしたリアルな環境だからこそ、写真集にスタジオ撮影以上のストーリー性と映画のような質感をもたらしてくれるのです。
小道具の配置やポーズの微調整にはかなりの時間を費やしました。特に座り姿のカットでは、自然でしなやかな脚のラインを作りつつ、大剣を斜めに立てかけて顔を隠さない角度を探す必要がありました。何度も試行錯誤を重ね、最終的に選んだカットのアングルは予想以上に素晴らしい仕上がりになりました。キャラクター全体の気質は、やり手で口数は少ないものの行動力に溢れるイメージで、この衣装や武器と合わせて、薄暗い都市の中を一人静かに歩む雰囲気を再現したいと考えました。撮影が終わる頃にはすっかり日が暮れており、靴の中まで濡れてしまいましたが、プレビューの画面の質感を見て、雨の中頑張った甲斐があったと心から思いました。