ペンギン急便の2人を撮影するにあたり、ロケーションには鉄骨構造が連なるインダストリアルな工業地帯を選びました。交差する階段、縦横に走る鉄骨、灰色のコンクリート床が、制服の赤・黒・白の配色と見事に調和し、完成度の高いタクティカルコーデの雰囲気を醸し出してくれました。
ヘアメイク面では、ウィッグのセットに最もエネルギーを注ぎました。エクシアの赤いショートヘアはふんわりとした立体的なレイヤーをアイロンで作り込み、テキサスのグレーのロングヘアはスプレーで毛束を一本ずつキープ。特にテキサスの獣耳は、1日の撮影でも位置がずれないようベースにピンとスプレーを幾重にも重ねて念入りに固定しました。メイクもそれぞれの性格に合わせて差別化を図り、エクシアは温かみのある赤系、テキサスは冷静沈着なグレーブラックの寒色系で統一。アイラインの跳ね上げ方やカラコンの色味、表情筋の力の入れ具合まで意識して演じ分けました。
1人での撮影だったため、メンタルの切り替えが最大の難関でした。エクシアを演じる際は屈託のない笑顔と大きめのダイナミックな動き、輝くような眼差しを意識し、テキサスでは感情を抑えたアンニュイで孤高な佇まいを追求しました。役柄のテンションを維持するため、撮影の合間もモニター前でアングルを模索し続け、あごの角度や視線の落とし所はカメラマンさんの的確な指示を頼りに微調整を重ねました。
銃の小道具はずっしりと重みがあり、構えるカットでは腕が強張らないよう何度も脱力と構えを繰り返して重心を見極め、脇をしっかり締めてブレのないポーズをキープしました。途中の衣装チェンジやメイク直しは体力的にハードでしたが、充実した時間でした。
ローアングルから迫力ある構図を粘り強く狙い続けてくれたカメラマンの@星野亚可さん、そして階段を何度も駆け上がりながら後れ毛のチェック、機材の受け渡し、レフ板の調整に奔走してくれたサポートの@Xiyoさんと@500さんに心から感謝します。皆の献身的な現場サポートがなければ、このビジュアルは実現できませんでした。現像ではロケーション本来の光と影、そして金属のテクスチャを活かし、無骨な工業美とキャラクターのしなやかさが見事に調和するバランスを追求しました。準備から本番まで、深く没入できた素晴らしいコスプレ体験となりました。