今回の写真集は主に白玉楼スタイルの月夜の桜の下を基調としており、西行寺幽々子の持つ、しなやかでありながらどこか非現実的な特質を表現することに重点を置いたため、セット全体と衣装のレイヤーの組み合わせにおいて多くの試みを重ねました。
衣装のメインカラーには広範囲に白いシフォン風の生地を採用し、襟元や袖口にはやや複雑なフリルとギャザー処理を施すことで、衣服のボリューム感と軽やかさを高めました。帯(コルセット)部分にはブルーパープル系の切り替えを使用し、厚みのある紫の立体的な花の装飾を散りばめることで、上半身の大量のホワイトとのバランスを取っています。首元にはあえて青い蝶のモチーフのチョーカーを着用しました。この小さなディテールが、折り畳み扇子や全体の寒色系の要素と視覚的に見事に呼応しています。インナーも同様にレイヤー感を考慮し、内側のスカートの裾と外側の白紗の隙間からブルーパープルの裏地をうっすらと覗かせることで、座ったときのボディラインやスカートの広がりに綺麗なグラデーションを持たせました。
今回のシチュエーション小道具の配置は撮影のハイライト(重頭戯)でした。背景にある巨大な発光する月が画面全体の核となっており、ライティングの方向はサイドフロントライト(順側光)で、光源は比較的柔らかく、月光に照らされたあのクールで朧げな雰囲気を再現しています。背後にはダークトーンの黒枠の和風屏風を合わせることで、奥行き感を加えるとともに、背景が浮きすぎるのを抑えました。両サイドには薄ピンクと淡いブルーが織りなすアーティフィシャルフラワーの桜の枝を大量に配置し、さらにディープブルー調の蝶を数羽散りばめることで、この色彩設計が人物のピンク×ホワイトのスタイリングを引き立てるコントラストとなっています。
ディテールにこだわった小道具も厳選しました。左側の紫の日傘には白いロングパールのチェーンを一周掛け、垂れ下がる質感を利用して画面の静的な印象を打破しました。一方で、右側の暖黄色の和紙の行灯(スタンドライト)は寒色系の中のアクセントとなっており、このような寒暖の光が画面内で交わることで、人物の輪郭線を綺麗に引き立てています。手にしたブルーの折り畳み扇子には星の模様があしらわれており、全体のスタイリングとの親和性が非常に高いです。足元は黒い厚底の花モチーフの靴で、濃い色の屏風や床とのコントラストにより、脚のラインを美しく補正し、画面における人物の安定感を高めています。
メイクに関しては、今回は特にアイメイクの効果に注力し、目の下や生え際に微細なラメのハイライトを散りばめ、ピンクのウィッグ造形と合わせることで、カメラの前で光が揺らめくような幻想的な世界観を表現したいと考え、月下の桜メイクを完成させました。撮影時は適切な座りポーズや扇子の持ち方の角度を探るため、重心の位置を何度も調整しました。衣装のフリルが押し潰されて型崩れしないように配慮しつつ、折り畳み扇子の見せ方の角度と、月の小道具との視覚的なバランスを維持しなければならなかったからです。
毎回撮影のたびに大型の小道具を運んだり、カメラ位置を何度もテストしたりするのは避けられませんが、完成した写真の中でこれらすべての要素が融合し、私の中にある東方Projectならではのあのシチュエーションが再現されたのを見ると、この幻想的な和風写真としての造夢プロセス自体も一種の大きな楽しみであると感じ、二次元コスプレの日常における最高のモチベーションになります。