【アティコスプレ】『ある日、お姫様になってしまった件について』、咲き誇る花々に包まれた夢幻の振り返り - 1 枚目
【アティコスプレ】『ある日、お姫様になってしまった件について』、咲き誇る花々に包まれた夢幻の振り返り - 2 枚目
【アティコスプレ】『ある日、お姫様になってしまった件について』、咲き誇る花々に包まれた夢幻の振り返り - 3 枚目

このアティコスプレの衣装に袖を通した瞬間から、これが完全な体力勝負になることは覚悟していました。それでも『ある日、お姫様になってしまった件について』の華やかな世界観と、満開の花に囲まれたプリンセスらしい幻想的な雰囲気を完璧に再現するため、猛暑の中でこのACG屋外ロケーション撮影に挑みました。このドレスの最大の魅せ場は、スカートにあしらわれた立体的なバラの装飾と、重なり合うピンクのチュールやレースの質感です。各レイヤーの落ち感やフリルの縫合が極めて緻密に計算されており、動きに合わせて自然で優美なボリューム感を描き出してくれます。

衣装のビスチェ(ビスチェドレス)部分は、身頃にぴったりフィットさせるために内部に硬質なボーン(魚骨)が仕込まれています。ウエストラインが極めて細く引き締まる反面、息を吸うのも体をひねるのにも細心の注意が必要で、ウエスト部分が弾け飛ぶのではないかとヒヤヒヤするほどでした。胸元のバラの花弁は襟元から腰元へと優雅に流れるように配置され、一輪一輪丁寧に固定されたことで、写真のような自然で立体的な立体感が生まれました。首元には同系統のチョーカーとリボンをあわせ、可憐さを保ちつつ首のラインを美しく引き締めています。セパレート仕様のスリーブはシアー素材とレースで構成され、腕のラインをカバーしながら柔らかな空気感をプラスしてくれました。

スタイリングのもう一つの要となったのがロングウィッグです。膝に届くほどの長さがある濃密な金髪ウィッグで、ふんわりとしたウェーブの質感を表現するため、内部に多くの毛たぼやネットを仕込みました。頭上に載せた繊細なクリスタルティアラも相まって、全体の重量は相当なもので、長時間の着用は首への負担となりました。花壇の下で一日中立ち続け、額にはうっすらと汗が浮かびましたが、丁寧なベースメイクとベース処理のおかげで崩れることなく撮影を乗り切ることができました。キャラクターの純粋で愛らしい気質に合わせ、アイメイクは柔らかく輪郭を強調し、チークとリップには血色感を高めるピーチトーンを合わせて温和で無垢な表情を目指しました。

足元のシューズとアンクルストラップも見逃せないこだわりポイントです。薄ピンクのハイヒールサンダルを履き、足首からふくらはぎにかけてお花モチーフのレースストラップを巻き付けました。このディテールが非常に素晴らしいアクセントとなり、足元からスカートの裾へと続くピンク&ホワイトの配色に美しい一体感を与えてくれました。3枚目の木製階段を降りるカットでは、実はドレスの内裾を踏んで転びそうになった瞬間だったのですが、カメラマンがその踏み出す一瞬を見事にキャプチャー。体幹でバランスを取り直した姿が、まるで夢幻の花畑を軽やかに散策する妖精のような躍動感あふれる一枚となりました。

ロケーションには、緑の蔦とピンクやホワイトのバラが咲き誇る手作りの木製アーバー(花架)を選びました。花のカラーリングが衣装の立体ローズと見事に調和しています。当日は日差しが非常に強く、淡い色のドレスが白飛び(露出オーバー)しやすい状況でしたが、カメラマンがレフ板でハイライトをコントロールしつつ、ディフューズ光を使って生地の立体刺繍やベルベット調の質感を鮮明に描き出してくれました。1枚目と2枚目は木製デッキの上で撮影し、背景のドアフレームが天然の額縁(フレーム)となって被写体を美しく引き締めています。

プリンセスドレスの写真撮影では、様々なアングルからアプローチしました。カメラマンが地面に寝そべってローアングル(仰角)から構え、脚長効果とスカートの広がりを強調することで、より高貴でエレガントな立ち姿を演出。また、一見華やかに見える夢幻の花畑も、実際には地面の泥や枯れ枝などが写り込みやすいため、後処理(レタッチ)で細部をていねいに補正し、植物のレイヤー感を残しつつ余計なノイズを取り除いて、視線が常に豪華なドレスへと注がれるよう仕上げました。

撮影中には花虫の接近や、重厚なドレスによる猛暑の苦しさ、強風でウィッグとヘッドドレスが絡まるアクシデントなど、様々な苦労がありました。しかし、原作の持つロマンチックな世界観を再現できた出来栄えを目にすると、すべての苦労が吹き飛びます。ピンクとグリーンが織りなす春の芽吹きと高貴な気品に満ちたこのカラーリングが心から気に入っています。シーンに合わせたポージングと静謐な佇まいを組み合わせ、キャラクターの多面的な魅力を表現できた実りある撮影となりました。