「金鑾鶴羽」の装備を手にした瞬間、今回の撮影が過酷な体力勝負になることを確信しました。『陰陽師』10周年の節目に、姑獲鳥(姑姑)の陰陽師 コスプレを実現できたことは、古参プレイヤーとしての長年の夢を叶える瞬間でした。あの頃のプレイヤーなら誰もが、彼女の手によって育てられた記憶を持っているはずですから。
今回のロケ地は梅州を選びましたが、木製の引き戸に畳、背景に配された紅白の巨大な花柄屏風、そして温かな黄色い光を放つ提灯など、まさに思い描いていた通りの情緒ある空間でした。鳥妖ならではの軽やかさと神聖な気品を表現するため、ポージングの設計には並々ならぬ情熱を注ぎました。写真にあるような浮遊感のあるポーズや横たわる姿勢は、かなりの体幹筋力を要します。幾重にも重なる金飾や羽根は少し動くだけで絡まったり位置がずれたりするため、スカートやマントの美しいドレープを整えるだけでも膨大な時間を費やしました。
この装備の仕立てに関しては、造形を手がけてくれた寒煙氏に深く感謝しています。衣装にあしらわれた金色の翼の鎧や緻密な羽根のパッチワークは、非の打ち所がない質感でした。頭飾りの赤い球体に黒い羽根飾り、そして銀白のウィッグを身につけた瞬間、キャラクターの圧倒的なオーラが全身に宿りました。メイクは設定に寄り添い、白いベースメイクに目尻の赤橙色のグラデーションを際立たせ、神聖でありながらどこか妖美な美しさを目指しました。
カメラマンの和樹氏は非常にプロフェッショナルで、根気強く付き合ってくれました。ベストな躍動感を捉えるため、多彩なアングルを模索。人物の威厳と飛禽の力強さを引き出すローアングルからの煽り撮影をはじめ、衣装の絢爛な広がりやスカートの立体的な階調を見せるための俯瞰や寝そべりの構図など、工夫を凝らしました。セットには和傘や模造の桜の枝をふんだんに散りばめ、ライティングによる金色の粒子エフェクトや舞い散る花びらが相まって、幻想的な空気感を極限まで高めてくれました。
10周年という特別な節目だからこそ、撮影中はゲームと共に歩んできた日々が自然と脳裏を巡りました。右も左も分からない初心者だった自分が、今では大好きなキャラクターのために全力でコスプレに打ち込んでいる。その歩みには自分自身でも深い感慨を覚えます。この役を演じることは単なるビジュアルの再現にとどまらず、過ぎ去った時間への敬意と追憶の証でもあります。正座をしたり袖を翻したりするたびに、ゲーム内の数々の名場面が鮮明に蘇りました。
撮影を終えた頃には全身が疲労で軋み、床一面に羽根が散らばっていましたが、完成したプレビューを目にした瞬間、すべての苦労が心地よい感動へと変わりました。決定的瞬間を切り取ってくれた和樹氏のレンズ、寒煙氏による至極の衣装、そして梅州での撮影依頼に応えてくれた素晴らしいロケーションに心から感謝します。この記念すべき年にこのような作品を残せたことは、私にとってかけがえのない宝物です。