今回のイベントでは『Fate/Grand Order』のジャンヌ・ダルクに挑戦し、深紫の戦袍に銀色の重装甲冑を合わせたスタイルを選びました。甲冑の金属パーツは本格的な作りでずっしりとした重量感があり、特に胸当てと腰当てはかなりタイトに固定されていたため、一日歩き回ると肋骨が少し痛むほどでしたが、現場でのリアルな質感を出すためには惜しくない負担でした。視線を集める深紫のマントは生地が分厚く、風になびく躍動感を表現するため、カメラマンさんと息を合わせて何度もマントを振り上げ、何十枚もシャッターを切ってようやく納得のいく瞬間を捉えることができました。右手の十字長剣は小道具とはいえ重心のバランスが良く、片手で掲げてポーズをキープするのはかなりの腕力が試されました。左手の長柄の旗はさらに重く、柄の内部に補強構造が入っているため、長時間持っていると手首がじんじんと痺れてくるほどでした。ボトムスには黒ストッキングを合わせ、深くスリットが入ったスカートから脚のラインを覗かせることで、重厚な鎧少女の佇まいの中にさりげない色気を添えています。
会場内の薄暗い背景と天井に並ぶスポットライトは、絶好の光影を生み出してくれました。キャラクターの持つ冷徹で凛とした気迫を表現するため、周囲の雑踏の中でも集中力を切らさず表情をコントロールし続けました。ウィッグは事前に1時間以上かけてセットし、キープスプレーをしっかり吹き込みましたが、会場内を吹き抜ける風で乱れるたびに手直しが必要でした。メイクは目元の陰影を深めに入れ、ベースには汗に強いファンデーションを選びました。このフル装備で歩き回るのはまさに筋トレそのものだったからです。カメラマンさんとの打ち合わせでは、パースを効かせて画面の迫力を高めるため、剣や旗をできる限りカメラ側へ突き出す構図を狙いました。1枚目のクローズアップでは剣を握りマントが翻る瞬間を切り取り、十字の柄や甲冑の硬質な金属感を強調。2枚目では全体のオーラを存分に開放し、ダークな背景とトップライトが寒色系の重厚な空気感を極限まで高め、紫のマントと黒ストッキングのコントラストを鮮烈に際立たせました。
イベント写真は体力と判断力の両方が試される現場です。照明の角度が合わなければやり直し、スカートやマントの広がりが美しくなければ再度テイクを重ねます。時には重い武器を掲げたまま何十秒も静止しなければならない場面もありました。それでも仕上がった写真には過度なCG合成に頼らない本物の質感が宿り、求めていた戦いの気迫と力強さをそのまま形にすることができました。この装備を着こなすのは過酷でしたが、銀色の鎧に走るハイライトと美しく弧を描くマントのシルエットを見て、あの一日の苦労がすべて報われたと実感しています。