撮影が終わって太多に疲れたので、袖を脱いでしまいました。この写真は一整日のロケーション撮影を終え、帰路の車内で撮影したものです。機材を片付け終えたばかりで、カメラに向き合いキャラクターを維持する緊張感から一気に解放された瞬間でした。車内で稍微休むことを急遽決め、すぐにメイクを落としたりウィッグを外したりはせず、車内に差し込む自然な窓越しの逆光を利用して何枚かシャッターを切りました。写真の中の少し疲れた様子やボーッとした眼差しは、「撮影後に上着を脱いだ」リアルな情景にぴったり合っています。キャラクター再現度の面では少しキャラ崩れ(OOC)かもしれませんが、こうしたプライベート感のあるリアルな状態も、コスプレの日常を共有するもう一つの楽しみだと感じています。
当日のウィッグとメイク・スタイリングについて触れると、この緑髪ウィッグはミントグリーンとターコイズグリーンが混ざった色合いで、色自体は非常に鮮やかですが、レタッチでの肌のトーンアップや光の調整が強く求められます。毛量が多く前髪がパッツンなため、車内のような狭い空間では毛先が散らかりやすく、写真を撮る際は手で両サイドのレイヤー感を何度も抑える必要がありました。写真に映るサイドの白い柄のヘッドドレスは、金属パーツ、布帯、ビーズのディテールがかなり重く、撮影中に視界を遮ったり位置がズレたりしないようウィッグのインナーネットにピンで固定していたため、一日中頭皮が引っ張られる感覚がありました。目元に関しては、青い瞳の透明感を再現するため、カラコンに加えて目の下に自然な影を入れて深く見せることで、目が大きく見えつつもどこか疲労感が漂う効果を出しました。
作品自体についてですが、『東方Project』シリーズにおける東風谷早苗は、常に元気いっぱいで現代人の感覚を持って幻想郷へやってきた巫女です。設定上は標準的な青と白の長袖の巫女服を着用しているため、普段東風谷早苗 コスプレをする際は上着も袖もきちんと着用します。しかし当日は気温が非常に高く、屋外でいくつものロケーションを移動したため、車に戻った時には蒸し暑い締め付け感に耐えきれず、長袖のアウターを密かに脱いで膝の上にかけ、インナーはカジュアルな白いキャミソール姿になりました。当時はキャラクターとして少し唐突に見えるかとも思いましたが、猛暑の中で重い上着を脱ぐ行為は、永遠に元気な神の代弁者ではなく、疲れたり愚痴をこぼしたりする生身のリアルな少女らしさを引き出してくれると感じました。
撮影時は片手で頬杖をつくポーズを好んで行いました。特に車内という密閉空間では、ドアのフレームを前景にしつつ窓外の強い光と組み合わせることで、精巧さと気ままさの間にある絶妙な空気感を撮影できます。2枚目の写真はより光が強く、顔や手に当たり、肌の質感と緑髪ウィッグや青い瞳が温冷のコントラストを形成して特別なインパクトを与えてくれます。これが私個人としてこのカットを気に入っている理由です。最近は極限までの再現性を追求するコスプレイヤーが多いですが、たまには「完璧な演技」から離れた瞬間を記録し、生活感のある姿を共有する方が温度感があると思います。写真では巫女の威厳をあえて作らず、目をこすってボーッとしたり頬に手を当てたりしており、まるで神社での巫女の日常業務を終えて車に乗り込み、家でゲームをする準備をしている普通の女の子のようです。
最後に機材についてですが、この2枚はカメラの液晶画面を再撮影したものではなく、スマホで直接記録したロケのオフショットによる車内自撮りであり、過度なフィルター調整を行わず、当時のハイライトの白飛びや重い影のリアルな光感をそのまま残しています。最近のロケ撮影では様々な光の下でのメイクやウィッグの見え方を試行錯誤していますが、写真を見ると強い光の下でウィッグの前髪が半透明になり、毛束が一本一本くっきり見え、髪飾りのテクスチャもより鮮明になることが分かります。今回の撮影はプロセスとしては大変疲れましたが、得られた写真の仕上がりには十分な価値を感じています。今は車内で窓の外を眺めながらエアコンの風を浴び、ただ静かにボーッとして、キャラクターの殻を脱いだ後の自由感を噛みしめています。