今回アニメスターシティで撮影した長門有希は、『涼宮ハルヒの憂鬱』に登場するキャラクターです。無口・無表情なキャラクターの代表格である長門有希は冷静で口数が少ないため、撮影時は一切の感情を抑え、視線をあえて虚空に向ける(放空状態)ことを意識しました。カメラマンのNightDivaさんは今回の撮影における光影のコントロールが極めて巧みで、夜間の背景が完全な暗闇であることを利用し、単一光源の硬い光(ハードライト)で人物の輪郭を浮き彫りにすることで、長門有希特有の感情の起伏がない無機質な属性を一気に立体的に際立たせてくれました。
スタイリング面では、キャラクターの持つ静謐でクールな雰囲気を再現するため、定番の青白セーラー服に赤いリボンタイと袖口のラインを合わせました。紫色のウィッグには丁寧なレイヤーカットを施し、ラウンドフレームの丸メガネを加えて文学少女らしい知的なエッセンスをプラスしました。黒サイハイストッキングと黒のローファーが視線の自然な延長線となり、硬質なライティングの下で美しい質感を放っています。撮影時は様々なアングルを試み、特に立ち姿の全身カットではカメラ位置をやや低めに構えてもらうことで、脚のラインを最大限に美しく見せて黒サイハイストッキングの視覚効果を引き出しつつ、被写体が画面端に寄らないよう全体の構図バランスを整えました。
同人・アニメイベント期間中だったこともあり、撮影現場には足元の落ち葉をはじめ、黒いファンやアンブレラ、遠くの機材カートなど多くの機材が置かれていましたが、それがかえってリアルな生活感と臨場感を生み出してくれました。撮影中はポージングの打ち合わせを重ね、しゃがんでリュックに手を添えるカットや、片手で髪をかき上げる横顔のショットなど、繊細な身体表現を通してキャラクターの内向的な気質を表現しました。冬の夜の屋外撮影は非常に冷え込み、風も強かったため、風になびくセーラー服の裾やウィッグを直すのに苦労しましたが、ライトに照らされた自身の冷涼感ある佇まいはキャラクターの設定に見事に調和していました。周囲の光の煌めきと地面の落ち葉が絶妙なアクセントとなり、終始スムーズに進んだ今回の夜景コスプレ撮影は、キャラクターへの深い愛を込めた大切な表現となりました。