今回撮影した東方Project・風神録の早苗のスタイリングでは、神社という空間におけるキャラクターの生き生きとした軽やかさと厳かな佇まいを表現することに重きを置きました。青と白を基調とした星空柄のスカートと重厚なレース袖は着付けにかなり時間がかかりましたが、キャラクターらしさを支える核となってくれました。頭の蛙の髪飾りや手にした御幣のプロップは存在感とボリュームがあるため、顔が隠れたり全体のラインが崩れたりしないよう、カメラのアングルに合わせて持ち手の角度を何度も微調整しました。
撮影当日は強い日差しに恵まれ、日本庭園の木戸や格子垣に落ちる木漏れ日の陰影が、カメラマンさんにとって絶好のライティング条件を作り出してくれました。衣装の重なり合う立体感を美しく見せるため、多彩なポージングを試みました。特に石段に腰掛けたカットでは、あえて動作をゆっくりと行い、自然光を活かして白タイツコスプレと脚のラインを際立たせつつ、身体を無理なく伸ばして優美で自然な佇まいを意識しました。黄緑色のロングウィッグのセットにも時間をかけ、陽光の下で綺麗なツヤ感が出るよう、ぱっつん前髪とセンター分けの毛束のバランスを見ながら生え際の位置を丹念に整えました。
ロケ撮影において最も試されるのは体力と根気強さです。何重もの裏地が入ったボリュームのあるスカートは身動きが取りづらく、小道具の長い紙垂(しで)も引っかかりやすいため、柵や木戸のそばで振り返る動作ひとつひとつに細心の注意を払いました。事前にカメラマンさんと絵コンテや構図のイメージを共有していたおかげで、本番では表情や視線の演技にしっかりと集中することができました。フル装備での撮影は体力的にはハードでしたが、趣のあるロケーションの中で、和風で親しみやすく、どこか神性を帯びたキャラクターの魅力を写真を通して表現できたことはとても贅沢な体験でした。スチール撮影の表現力を磨く良い機会にもなり、このアニメコスプレやキャラクターを愛する方々へリアルな感動を届けられたら嬉しいです。