今回の撮影は本当に深く印象に残っています。ずいぶん前から計画を立て、週末を狙ってわざわざ重慶大学の虎渓キャンパスへ紫陽花を撮影しに行ったのですが、現場に着いて愕然としました。時期が早すぎたため、木に咲く花球がすべて青々とした緑色のままで、思い描いていた夢のような白さには程遠かったのです。しかし、よくよく考えてみると、この瑞々しい緑のニュアンスと暗闇の中でのライティングが合わさることで、逆に清涼感がありつつもどこか芯の強い独特な空気感が生まれ、これも一種の特別な巡り合わせ(機縁)なのだと感じました。
さらに予想外だったのは、機材をセッティングし終えた途端に雨が降り出したことです。花の葉や油紙傘に当たる雨音はとても清らかに響きましたが、撮影時間は確実に極めてタイトになり、1時間もしないうちに私たちは慌ただしく撤収することになりました。さいわいチームの息がぴったりで、ストロボの光が雨粒の粒状感を綺麗に捉えてくれ、漆黒の背景の中で雨に洗われた葉や緑の花球が非常に質感豊かに引き立ちました。着物を着て、折畳扇子と傘を手に、雨の中で何度もアングルを探しました。時間は短かったものの、この着物夜景ポートレートとしての写真の完成度は意外なほど高かったです。
今回の衣装、メイク、小道具(服化道)の面では、青灰色のウィッグと赤いカラコンの組み合わせの再現度にとても満足しています。白い着物と淡い色の帯は、夜間の強い光の下で独特の透明感を放ち、垂れ下がるタッセルの髪飾りや油紙傘も画面全体の魅力をさらに引き立ててくれました。この湿度と清涼感を帯びたらしき写真群を通じて、私が解釈する綾波レイならではのあの「静寂感」を皆さんに感じていただければ幸いです。