今回の上杉絵梨衣コスプレの企画には約2ヶ月を費やしました。ウィッグの素材選びから衣装の赤い縁取りの色味の比較に至るまで、『竜族III』が持つ純真無垢な空気感に極力近づけることを追求しました。赤いウィッグのセットは非常に手間がかかり、前髪の自然なカーブや頭頂部のアホ毛をしっかり立たせるために何度も丁寧にカットを重ねました。衣装にあしらわれた赤の飾り結びや両サイドの金色のタッセルはすべて手作業で結い上げ、光を受けた時の金具の輝きが素晴らしいアクセントになっています。
撮影当日の東京はあいにくの小雨模様でしたが、出発前には雨も上がり、湿り気を帯びた空気によって庭園の青葉の色彩が一層鮮やかに引き立ち、ほんのり憂いを帯びたロケーション撮影にぴったりの環境となりました。撮影場所を探す中で、最終的に白いアーチ状の手すりがあるスポットを選びました。手すりの美しい直線が人物を引き立て、構図をよりすっきりと見せてくれるからです。当日は風が強く、前髪が乱れないようスカートの裾を持ち上げながらこまめに髪を整える必要があり、終始表情管理が試される撮影となりました。
黄色いアヒルを持ったカットは現場でのアドリブでした。この小道具はキャラクターにとって非常に大切な象徴であり、顔の横に添えることで彼女の無邪気で世間知らずな愛らしさをストレートに再現できたと感じています。カメラマンさんは終始視線をレンズに向けるよう導き、リラックスしつつも芯のある眼差しの表現をサポートしてくれました。肩出しのデザインに黒のフィンガーレスグローブを合わせた衣装のため、自然体でありながらデザインの美しさを引き出すポーズを探り、何十枚ものアップカットを様々なアングルから撮影しました。
過ぎ去った青春を記念するためにこの龍族コスプレ作品を撮る決断には、実は心の準備が必要でした。この作品は私にとって長い青春を共に過ごした存在であり、物語に描かれた情熱や切ない結末はずっと心に残り続けていました。今こうして仕上がった写真を振り返ると、キャラクターの再現に真摯に向き合った当時のひたむきな姿が刻まれているだけでなく、過去への愛おしい追憶を表現する素晴らしい機会になったと実感しています。撮影は大変なことも多かったですが、完成した写真を見た瞬間、すべての努力が報われたと感じました。個人のコスプレ作品集として、撮影体験からディテールの追求に至るまで非常に完成度の高い一作となりました。