今回のアークナイツのアルトリア コスプレ(ヴィルトゥオーサ コスプレ)のコスプレ写真撮影では、事前準備にかなりの工夫を凝らしました。最大の難関はあの巨大なチェロの小道具で、木製のボディに金属製のスクロールが組み合わさった重量は想像以上で、ポージング中は常にバランスを意識し、弦や金属の鋭い角が繊細なレースドレスを傷つけないよう細心の注意を払いました。レース生地は引っかかりやすく、ドレス自体にもストラップや金属バックルが多くあしらわれているため着脱も一苦労でした。撮影の合間はチェロをスタンドに立てかけて休めるしかありませんでした。
メイクとスタイリングに関しては、設定に極力近づけるためベースメイクを白めに仕上げ、グレーブルーのカラコンと深みのある黒のアイラインを合わせました。寒色のライティングが当たると、冷徹でどこか危険な気品が際立ちます。黒ストッキングとハイヒールの組み合わせは脚のラインを美しく引き締め、座りポーズのカットでは広がったスカートとチェロの優美な曲線が相まって、脚の美しさを存分に引き出すことができました。これはカメラマンさんが特別に設計してくれたアングルです。座った姿勢でありながら姿勢の美しさと重心のバランスを維持するのは、体幹の筋力が大いに試されました。
背景に配置した砕けた時計、白いドレープカーテン、そして空中に浮遊する破片のセットは、長い時間をかけて作り上げたもので、レタッチでの合成も加わり、時間と空間が崩壊したかのような幻想的な世界観を創出しました。浮遊する破片は実際にはテグスで吊るされており、光を反射しやすいため、仕掛けが写り込まないよう慎重にライティングを調整しました。
撮影中は視線や細かな表情の作り方も何度も練習しました。人の心を見透かすようなキャラクターだからこそ特有の支配感が必要で、視線に程よい威圧感を宿らせつつも表情が硬くならないよう意識しました。アップの撮影ではわずかに視線を落とし、全身カットではチェロの位置を緻密にコントロールしました。ヘアメイク担当者もウィッグのセットに時間をかけ、頬の両側に沿わせた後れ毛が逆光の中で美しい輪郭を描くように整えてくれました。
表紙に選んだ3枚目の座りポーズを撮影する際は、脚のベストな角度を探るため、カメラマンさんと何度も椅子の向きを微調整しました。撮り終えて立ち上がった時には足が少し痺れていたほどです。ライティングの下で黒ストッキングの質感が美しく映え、ドレスのスリットから覗く太ももが絶妙なアクセントとなりました。これはキャラクター設定を守りつつボディラインを最も魅力的に見せるためのカメラマンとのこだわりの演出です。
撮影後のレタッチも長い道のりでした。浮遊する破片に被写界深度をつけ、キャラクターの周囲を旋回しているように見せつつ、クールグレーとブルーを基調とした色調で全体の空気感を統一しました。衣装、メイク、小道具、スタジオセット、そして後処理に至るまで全員が息を合わせた共同作業となり、大変ではありましたが仕上がりには大満足しています。再現したキャラクターの佇まいが、ファンの皆さんに刺されば嬉しいです。この手の撮影では現場の空気感が極めて重要で、冷光の下でキャラクター特有のオーラを研ぎ澄ますことで、緊張感あふれるドラマチックな画面を生み出すことができました。