「背理分光」の撮影では、セットの設営やアングル探しに根気が試されました。原作設定にあるクラシカルとファンタジーが織りなす雰囲気を再現するため、大きな額縁やたくさんのフラワーアレンジメントを特別に用意しました。額縁や階段の位置がほぼ固定されていた上、尖った造形プロップがかなり鋭利だったため、移動には細心の注意を払いました。
この衣装は細部まで非常にこだわりが詰まっており、特に白のコートにあしらわれた黒の幾何学ラインやスカートの立体的なレイヤー感は、着脱や微調整にかなり苦労しました。ドラコ(赤き竜)姉妹の性格のコントラストを表現するため、さまざまなポーズを試行錯誤しました。例えば、私が演じる焔影リードはヘアスタイルや角のデザインが比較的控えめなのに対し、パートナーが演じるエブラナはダークトーンの角と長い裾でより堂々としており、放つオーラも全く異なります。撮影中、最も議論したのは、気後れすることなく堂々と二人の立ち位置のバランスを取ることでした。特にハイヒールブーツと黒のオーバーニー丈ストッキングという組み合わせは脚のラインが際立つため、画面により強い緊張感を持たせるべく、あおり(ローアングル)のアングル(4枚目の写真のポーズ)を採用しました。これにより、美しい脚線美を強調しつつ、窮屈さを感じさせない迫力ある画面に仕上げることができました。
セット内の暖色系パープルと寒色系ブルーの強い照明コントラストに、白い花と赤いシャンデリアの背景が加わり、非常に重厚感のある質感を生み出しています。衣装の生地が強光下で反射しやすかったため、メイクへのテカリや反射を防ぐようトップライトの位置を何度も微調整しました。髪の毛束や角の質感もレタッチで丁寧に整え、リアルな華やかさを追求しています。
今回のテーマ撮影は、二人での息の合わせ方や複雑な小道具の配置、繊細な視線の誘導など、私たちにとっても全く新しい挑戦でした。時間はかかりましたが、最終的にはキャラクターの気品と感情表現が見事に収められました。ライティングを徹底的に追求してくださったカメラマンさんのおかげで、冷淡でありながらどこか危険な香りが漂う空気感を表現することができました。