今回の夜桜ロケ撮影は非常にタイトなスケジュールで進められました。具体的には、雷のカードの戦闘服はスカートの広がりが大きく装飾パーツも多いため、身につけると動きやすさにはかなり制約が出ます。今回は夜の桜林での夜景撮影を選んだため光のコントロールが難しく、カメラマンさんと入念にライティング設計を練り上げました。夜桜の花びらはストロボ光で反射しやすいため、透き通るような透明感を表現するには光を当てる角度が極めて重要でした。
この雷のカードの戦闘服で最も手が込んでいるのは、肩のフリルと背中の尻尾です。特に尻尾と鈴の重心バランスが崩れるとすぐに垂れ下がってしまうため、立ち姿では重心のキープに細心の注意を払いました。写真で見せる振り返りやカードを掲げる動作など様々なポーズも、衣装の重量に引っ張られる中で維持するのはかなりの体力を要しました。手にした杖の小道具も中身が詰まった本格仕様で、長時間持っていると腕が痛くなり、さらに風向きに合わせてスカートを美しくなびかせる必要があったため、一晩中撮影した後はランニング以上の疲労感がありました。
ヘアメイク面では、キャラクターの瞳のディテールを忠実に再現するためにグリーンのカラコンを選び、ブラウンのウィッグと合わせました。襟元の大きな金の鈴も見どころの一つですが、顔に当たらないよう俯かないように気をつけました。撮影時期はちょうど満開の終わりに重なり、夜桜の情景はとても静謐で、衣装の黒ベルベットとピンクの生地が織りなす質感の描写は、カメラのダイナミックレンジの性能が問われる場面でした。現像レタッチでは桜の立体的なレイヤーを残しつつ、あえて背景を暗めに落とすことで被写体のポージングの躍動感を際立たせました。全身カットを撮影する際はスカートのふんわりとした広がりを意識し、カメラマンさんからは脚の美しいラインを崩さないようにとの指示がありました。夜の闇の中での黒ストッキングコスプレは撮影アングルがとてもシビアですが、2枚目の斜め立ちのポーズがちょうど綺麗に美脚ラインを引き出してくれました。屋外の芝生の上は靴底が滑りやすく、アングルを探して歩き回るうちにスカートの裾に草や泥がついてしまうため、撮影中もこまめに整える必要がありました。手間のかかるプロセスではありましたが、特定の情景の中でキャラクターの息づく質感を記録できるこの経験は、毎回本当に格別なものだと感じています。