今回の撮影は『ギルティクラウン』第1話のMVで楪いのりが着用していた黒い羽のドレス姿を選びましたが、あのシーンの世界観(雰囲気)は本当に圧倒的でした。どこか神秘的で儚げなニュアンスを再現するため、あえて白い花が一面に広がるダークトーンのシチュエーションを探し、寒色系のブルーの環境光を合わせることで、黒いドレスのスタイルと白い髪のコントラストを綺麗に際立たせました。ウィッグ是新しくカットし直したピンクのグラデーションで、両サイドの赤いヘアピンやチョーカーの位置も原作の設定通りに細かく調整しました。メイクはあえて濃くしすぎず、彼女ならではの透明感とどこかアンニュイな表情を残すことに重点を置きました。撮影では、椅子に丸まっているクローズアップから、俯瞰でのフルショット、あるいは手を伸ばして花を差し出すカットまで、いくつかの異なるアングルを試し、極力MVの絵コンテに近づけられるよう意识しました。この衣装の裾には不規則な羽毛状のパーツがたくさん使われており、歩き回る時に花の枝に引っかかりやすかったのですが、完成した写真のその乱れて儚いエフェクトが、かえってキャラクターの気品に完璧にマッチしてくれました。ライティングは実は難所で、透明感のある美白肌を表現しつつ、黒い生地のレイヤー感も出さなければならず、現場でレフ板やソフトボックスを何度も調整してくれたカメラマンさんには本当に感謝しています。最終的に選んだカットの中には、静かにレンズを見つめるものもあれば、目を閉じて花の中に埋もれているものもあります。懐かしのアニメの思い出として、あの名作から何年も経った今ですが、再びこの衣装を身にまとうと、あの切なくも美しい物語の世界へ一瞬にして引き戻されます。